先日のホンダのF1からの撤退に続き、今度はスズキがWRC(世界ラリー選手権)への参戦を、2009年から休止すると発表したようです。このニュースは、以前からささやかれていましたが、既に予測の範囲内であったのかニュースでもそれほどの注目にはなっていないようです。
スズキは、2002年からJWRC(ジュニア世界ラリー選手権)に参戦し、2度ドライバーズチャンピオンを獲得しました。そして、今シーズン2008年からWRCに参戦したばかりです。世界最高峰のラリー選手権に、たった1年で休止してしまうとは何とも寂しい限りです。
今回のスズキの理由は、ホンダ同様業績の急激な悪化が挙げられています。WRCも世界を転戦し、年間30億?40億とも言われる活動資金が必要だそうです。F1は、ホンダが400億、500億とも言われていたことを思えば、それほどの負担なのだろうかとも考えられますが、その金額さえ本業以外には割けないという切迫した現状なのだろうと想像します。
WRCには、現在スバルも参戦していますが、2009年については正式な結論はまだ公にしていません。しかし、スズキ同様休止や撤退するのではないかという憶測が流れています。
日本企業のモータースポーツへの参戦は、ある意味はっきりしており、それに対しての思惑が薄れたり、今回のような台所事情が思わしくないと判断されれば即撤退となります。それは、モータースポーツが飽くまでも、企業PRの場であり、また開発の場であるという割り切ったものであると考えらます。
もともと、モータースポーツの発祥はヨーロッパであり、彼らの考え方はやや異なります。当然、メーカーとしての参戦であれば、日本企業に近いスタンスであることには違いないのでしょうが、それでも文化としてのモータースポーツに敬意を払い、その文化を継続させるという考え方が根付いていると聞いたことがあります。
その為に、文化に携わるものとしての誇りや自信が満ち溢れており、景気が良いから、注目度が高いから参戦し、景気が悪くなったり、人気が薄れていると判断されれば即撤退する日本企業は、必ずしも好感は得ていないと考えられます。そこには、ビジネスと文化という埋まらない溝が存在し、特に今日のような急激な業績の悪化では、彼らの文化を理解しても、完全に受け入れることは今の日本企業には難しいと思います。
企業に関わる人たちからすれば、夢や希望より現実であり、特に契約社員や期間労働者の契約解除など死活問題が溢れている状況では、レースどころではないというのも否定できない現実があります。
自動車メーカーばかりではなく、タイヤメーカーとて同じ状況にあり、他の産業も大変厳しい現実に直面しているようです。アメリカの経済問題がこれほど日本に悪影響を及ぼすのか、それとも日本の政治が破綻しているのか、ニュースを見ていると虚しさだけが湧き上がってきます。